職員サポート『メンタルケアホットライン』の電話カウンセリングを受けてみました!
SHIPでは、よりよい支援を継続して提供するため、職員へのメンタルサポートにも力を入れています。
福祉の仕事は、いろんな人と、その人が抱える問題に関わるので、どうしてもストレスがつきまといます。
障害者への支援を行っていく中で、支援者側もストレスを感じ、心を病んでしまうということも少なくありません。職員が健康に長く働けるように、早期のケアサポートが必須と考え「職員サポート相談室」を設けました。
職員サポート相談室の内容は
◆ 相談室スタッフの個別サポート
◆ ストレスチェックの実施と結果分析
◆ 外部相談(メンタルケアホットライン)
の3つです。
上の2つは内部の職員で行いますが、「メンタルケアホットライン」は、外部の臨床心理士の無料カウンセリングやメール相談などのサービスが受けられます。
● 看護師や精神科医による電話健康医療相談サービス
● 臨床心理士による電話、対面カウンセリングサービス
● 臨床心理士によるWEB相談(メールカウンセリングサービス)
の3つが利用できます。
そのうちの「電話カウンセリング」を受けてみたので、どんなものか紹介したいと思います。
実はここ最近、とあるストレス要因により、体調を微妙に崩しまくっていました。(頭痛、胃痛、逆流性食道炎、腰痛、不眠、幻聴、気分の落ち込み、自殺願望など)
そしてストレス要因を自分では解消できず、困っておりました。
プライベートなことなのでくわしくは書けませんが、毎日隣の騒音がうるさくてつらい、またはまわりの人にいじめられてつらい、そんでなんか微妙に体の調子が悪い、やめてほしいとお願いしても聞いてもらえない、みたいなイメージです。
どうせなら胃潰瘍にでもなってくれればまわりにも訴えやすいのに、胃が痛くて受けた内視鏡検査の結果は「胃はとってもキレイ」でした。持病の難治性てんかんも、むしろこれまでの治療の蓄積により、発作のない日が続いていい調子なのです。
私の持病である「てんかん」も「見た目では分かりづらい」ため偏見などが多い病気ですが、「心の傷」もまた「目には見えない」ので分かってもらいづらいものです。
さて、そんなふうに微妙に調子わるくなっている私に、痔でおな痔みの上田さんがメンタルケアホットラインを「すぐ使いなよ!」と勧めてくれました。(上田さんの痔の治療体験ブログはコチラ)
アルバイトもふくめて、職員は全員年5回まで無料でサービスを受けることができるそうです。
現在、私は非常勤で仕事をしているのですが、正社員と同じくサポートを受けられるのはありがたいですね。
しかし、全然知らない人にプライベートな悩みを打ち明けるのは、なかなかに勇気がいることではないでしょうか。
でも、このままひとりで悩んでいても解決はしないし、苦しいままです。
悩むより、行動することにしました。ちなみにこんなときに心に留める言葉は「#気分の検討は行動の後で」です。よかったらツイッターで検索してみてくださいね。
さて、まずは予約です。
落ち着いて予約できるよう、タスクペディアでタスクを作成してから行いました。
予約は24時間可能です。平日の夜に電話してみましたが、「電話が混みあっている、しばらくしておかけ直しください」という案内で、何度かかけてみましたがつながりませんでした。
「仕事帰りの人たちがかけているのかも…コロナの影響もあって、心が病んでいる人たちが多いのかもなぁ…」なんて思い、その日はあきらめました。
その後、平日のお昼にかけたら、すぐつながりました。
法人名、生年月日は必ず聞かれます。氏名と年齢は差し支えなければ、当日連絡のつく電話番号を聞かれる、という感じでした。当日キャンセル、予約時間に電話しない場合は、無料5回分の1回にカウントされてしまうそうです。
そして、2日後に相談することに。相談時間は45分なので、ある程度話すことをまとめておこうと思ったのですが、気力がわかず…結局当日の直前になって、書き出してみました。
またタスク管理の話にもつながるのですが、色んな予定が頭の中で浮かんでは消えすると、すごく落ち着かないもの。それをとりあえず目に見える形で書き出すだけで、落ち着きます。
悩みごとも、書き出してみると、客観的になれて、自分の考えが明確になり、頭がスッキリすると感じました。完璧にまとめようとしなくていいので、まずは頭の外に出すだけでいいのだと思いました。
相談したいこと、現状、自分の考え、体調などなど、思いつくままに書き出して、少しスッキリしたところで、カウンセリングの予約時間になりました。
14時からの予約で、予約時と同じ番号にかけるのですが、最初の予約時と同じく、すぐにつながりませんでした。
あとから確認したところによると、混雑していても、つながった時点から45分間だそうです。臨床心理士さんはスタンバイしているそうで、つながりにくいことを考慮して、予約時間の1~2分前にかけても大丈夫だそうです。
私の場合は14時からかけて、14時5分につながり、50分まで話を聞いてもらえました。
さて、電話がつながり、最初はどこまで話したものか迷ったのですが、「よければもう少しくわしく聞かせてもらえませんか?」と聞かれ、少しずつ話していき、自分が本当に悩んでいる部分、話したい部分を聞いてもらえたと思います。
また、話していて、途中急に泣きそうになって、自分でもビビりました。思っていたよりも、自分はつらいのだと気づかされました。
それから、丁寧に傾聴してもらえたのと、「がんばっているんですね」「大変なんですね」という言葉に、すごくほっとしました。自分の悩みや行動を、自分以外の人からも認めてもらえたというか、共感してもらえたことで、「自分はつらいと感じていいんだ」と楽になれた気がします。
ひとりで考えているとどうしても、「自分が悪いんじゃないか」などネガティブな考えに陥りやすく、必要以上に落ち込んでしまうことがあると思います。
プロのカウンセリングでなくても、人に話すと、「悩み過ぎていたな」と心が軽くなったり、逆に「思ったより自分はつらかったんだな」と気づかされたりすると感じます。
そんなわけで、45分間聞いてもらって、気持ちはスッキリしました。
いくつかアドバイスも受け、「知り合いに相談する」「気晴らしになることをする」「医師に相談する」など、自分でも考えていたことではありましたが、明確になって、具体的に動いてみようと思えました。
カウンセリングは問題を解決するものではないので、あくまで悩み相談とアドバイスです。
問題解決はまだまだこれからなのですが、「スッキリした」「前向きになれた」ことは、解決に向けて動くためにも意味はあったなと思います。
相談内容によっては、より具体的なアドバイスがもらえるでしょう。
また、友人や家族に相談した場合は、どうしても人間、善意だとしても自分の考えを押し付けること、意見が合わないことなどあるかと思います。カウンセリングでは、まず適切に「悩みを聞いてもらう」ことができるのではないかと思います。
ひとりで抱えこむ必要はありません。
かつて、私がラファミド八王子で世話人をしていたころ、ストレスで逆流性食道炎やうつ症状が出るなどしたことがあります。
体調をくずしたとき、当時のサービス管理責任者の若林さんは「ダメになる前に休んでほしい」と言ってくれました。
無理をしないで、てんかん発作がある中でも何とか足かけ10年、ラファミド八王子で働けたのは、同僚や上司の理解とサポートがあったからです。
もやもやした気持ちは、ひとりで考えても解決できないものです。
カウンセリングなんて…と思うかもしれませんが、受けてどうなるかは受けないと分かりません。
ちょっとでもつらいとき、悩んでいるときは、遠慮せず、まわりに相談し、受けられるサポートを試してみましょう!
SHIPの職員たちには「メンタルケアホットライン」などのサポート制度を、どんどん活用していってほしいと思います。
障害福祉マンガ劇場「人生のてんかん記」作者・パープルカフェ主催・難治性てんかん当事者
元グループホーム(ラファミド八王子)職員・現在は自宅で仕事
国家資格:精神保健福祉士・社会福祉士