『BWAP2』で就労アセスメント強化に着手中
SHIPの支援の基本理念である
『支援される部分を少なくし、自分のできる部分を増やすこと』
この理念を実践するための土台となる『就労アセスメント』が就労継続支援事業の課題です。
SHIPで運営する就労継続支援のサービスは、エスプリ、エスプリ・ドゥ、ボンシュシュ(2022年4月開設予定)の3つがあります。
いずれもパンの製造販売に取り組む事業所です。
お客様へいち早くパンをお届けするために ‟早朝より” 作業に取り組んでおります。
そのため、‟日々の作業に追われながら” 利用者の皆さんと共に頑張っているところです。
この「作業に追われながら」という部分が『就労アセスメント』を難しくしている部分です。
就労アセスメントの方法を端的に申し上げると、
ある作業を行動観察しながら『できる・できそう・できない』を評価する。ということになります。
そして、行動観察や評価の際の重要なポイントとしてあげられることは、『自分ひとりで』できるのか、できそうなのか、できないのか、これを見極める。ということになります。
問題解決の前の大切なこととは?
福祉の仕事は困っている人の手助けをする仕事なので、なんの手助けもせずにただ黙って見ていること(行動観察)の罪悪感はエグいです。
でも手を出してはいけません。目的は『就労アセスメント』なので。
さらに行動観察を難しくさせる要素があります。
日々「作業に追われながら」仕事をしているので、アセスメントよりも支援介入(「こうして、こうして、こうしてください」を伝える行為)が優先されてしまいがちです。
黙って見ている余裕はありません・・・
ごく一般論ですが、
ある問題が発生したとき、問題の成り立ちがどうなっているのかを冷静に見極められる人は、問題解決が上手だと言われています。
一方、ある問題が発生したとき、衝動的に問題解決に着手してしまう人は、問題解決が下手だと言われています。
忙しく日々の作業に追われている就労継続支援ですが、あらためて『就労アセスメント』をしっかりやっていこうと襟を正しているところです。
ということで、今年度(2021年度)は就労アセスメントの基礎をつくって、来年度(2022年度)からはそれを導入していこうと計画を立てている最中です。
【BWAP2:ベッカー職場適応プロフィール2】
SHIPの就労継続支援で導入する予定の就労アセスメントのツールは『BWAP2(ビーワップ・ツー)』です。
<BWAP2とは?>
✓ 障害のある人の職場適応力をアセスメントするツール
✓ アメリカや諸外国で利用されている
✓ 1989年に開発され15年かけて修正を繰り返し改訂されたもの
✓ TEACCHの就労支援プログラム『T-STEP』でも使用されている
<特長は?(他よりすぐれている部分)>
✓ ハードスキル(作業能力)だけでなく、ソフトスキル(対人関係等)も把握できる検査
✓ 行動観察と短時間の検査で現在の職業能力レベル『デイケア ~ 福祉就労 ~ 就労移行 ~ 一般』が分かる
<評価結果のイメージは?>
✓個別にプロフィールシートを作成してフィードバックする予定
✓現状の職場適応レベルを(同一障害の成人の人たちとの比較から)客観的に確認できる
<利用者様との共有は?>
✓『強み』と『苦手』を双方で確認して、自己理解が進むように促す機会とする
✓『強み』の部分は、今後の職業生活に活かしていける部分として
✓『苦手』の部分は、トレーニングで高めたり、環境や人の力を借りて補完する部分として
【スモールステップの挑戦を繰り返す】
SHIPの就労継続支援では、
『商品の提供を通じてお客様を笑顔にするために、様々な役割の中から自己選択をしていただく』ことを大切に考えています。
そしてもう一つ、
『スモールステップの挑戦を繰り返しながら達成感を実感し、みんなで成長していく』ことを大切に考えています。
この大切にしている想いを実現するために、
就労アセスメント『BWAP2(ビーワップ・ツー)』を取り入れて、利用者の皆さんの自分ひとりでも『できる部分』をたくさん見つけてフィードバックしていきたいと思います。
そして、『できそう』な部分には利用者の皆さんと共に『スモールステップの挑戦』を繰り返しながら、就労自立を目指していきたいと思います。
国家資格:公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
その他:TSM(トラウマセンシティブマインドフルネス)修了・SE™プラクティショナー初級修了・TFTパートナー・ChatGPTエジソン塾1期生・整理収納アドバイザー2級 など
『努力すること』と『環境に助けてもらうこと』のバランスを研究し、自分自身の最適化を目指して精進中