【利用者インタビュー】どんなに辛くても、必ずよくなる時が来る!
今回の利用者インタビューは、社会福祉法人SHIPのエスプリドゥ(就労継続支援B型)に通所されている利用者様のインタビュー記事です。
統合失調症を患いながら、とても意欲的に活動されている利用者様(Kさん)です。
力強いメッセージを、ぜひご覧くださいませ。
「どんなに辛くても、必ずよくなる時が来る。
私にとってそれは、同じ境遇の仲間と出会えた時でした」
-Kさん、よろしくお願いします。
-エスプリドゥに通所しはじめて、どのくらい経ちますか?
Kさん)
はい、気づいたらもう5年くらい通っています。
-長いですね! どのような経緯で通うようになったのでしょうか?
Kさん)
最後に入院した病院でソーシャルワーカーさんに紹介してもらったのがキッカケでした。
-ということは、何度か入院されているのですね。
-Kさんの病気(障がい)について詳しく聞かせていただけますか?
Kさん)
はい、入院は何度もしています。
私の病気は統合失調症です。
主な症状は幻聴や幻覚、希死念慮、妄想です。
特に幻聴と幻覚には悩みました。
幽霊にとり憑かれちゃった!と思って神社へお参りや霊媒師に相談しにいったこともあります。
まさか精神病になったとは、最初は思いませんでした。
-最初に症状が出て、病気に気づいたのはいつだったのですか?
Kさん)
27歳の頃でした。
幻聴があまりにもひどくなって、恐怖で暴れてしまって…
そのまま医療保護入院になりました。
そこで統合失調症が発覚しました。
-大変だったのですね。 病気になった経緯やキッカケに心当たりはありますか?
Kさん)
原因のひとつは、親からの虐待です。
私の両親は昔、町の電気屋を経営していました。
しかし不況が訪れ、経営が傾くと父と母の夫婦夫婦仲が悪化し、ストレスがたまった両親が、私に暴行を加えるようになりました。
また、私が小学生の頃、両親はそろってネグレクトの状態でした。
-辛い経験をされていたのですね。
-統合失調症を発症されたのは大人になってからなのでしょうか?
Kさん)
そうですね。実家を出た後も色々あって。
詐欺に遭って借金をしたり、事実婚をしていたこともあるんですが、その生活が上手くいかなかったり・・・
そうこうしているうちに幻覚や幻聴の症状が現れて、27歳のときに発症したんです。
-とても落ち着いていらっしゃるので、そんな壮絶な経緯だったとは思いもしませんでした。
-ここまでKさんが回復できたキッカケとは何だったのでしょうか?
Kさん)
やってみて良かったと思うのは、入院中のOT(作業療法)です。
-OTとは、どのようなものでしょうか?
Kさん)
入院患者向けの作業療法プログラムのことです。
患者同士で集まって、料理をしたり、絵をかいたり。私が好きだったのはメイクのプログラムです。
講師の人がお化粧の仕方を教えてくれるんです。
メイクをするのが好きなので、とても楽しかったです。
それにOTのおかげで友達もできました。
今でも連絡を取り合っている子もいます。
-その病院からのご紹介で、エスプリドゥに通所されるようになったということですね。
-実際に通所するようになって、いかがでしたか?
Kさん)
楽しいです!
エスプリドゥの作業は好きです。
『できることが増える』と、達成感があります。
-いつも一生懸命 作業されていますからね!
-今はエスプリドゥで頑張っていらっしゃいますが、今後の目標はありますか?
Kさん)
自分の稼いだお金で生活することが目標です。
今は生活保護と障害年金で生活していますが、いずれは自分で働いたお金で生活したいです。
就職するために、最近は就労継続支援A型の事業所見学にいったり、関係者の方に相談したりしています。
あとは、結婚することです!
家庭をもつのが夢なので。
-Kさんの頑張る姿に、とても刺激をもらっています!
-最後に、Kさんと同じような病気や精神疾患がある方々にメッセージをいただけますか?
Kさん)
苦しい病だと思いますが、必ず症状が良くなる日は来ます!
私のおすすめは、先ほども言ったように、同じような精神障がいのある人たちと関わることです。
お互いの悩みを共感し合えるし、
独りじゃないんだなって思えるからです。
何より、心の支えになります。
まわりのサポートはやっぱり必要です。
辛くても、あきらめないで前向きになってほしいです。
Kさん、ありがとうございました。
辛い経験をしたからこその説得力と言葉の重みを感じます。
今日は貴重なお話をきかせていただき、ありがとうございました。
<利用者インタビューに関する用語解説>
・統合失調症‥精神疾患の1つ。主な症状は妄想、幻覚、幻聴、思考障害など。100人に1人が発症すると言われている。安心感や安全感が損なわれる陽性症状と、自信が失われる陰性症状を繰り返す。抗精神病薬による治療が一般的。
・ソーシャルワーカー‥精神障害者やその家族の生活上の相談にのり、社会生活に関する助言や指導、援助を行う人。 精神科ソーシャルワーカーは、精神障害者やその家族へ社会参加に向けての支援を行ったり、社会生活を送る上で抱えている問題に対して必要な助言指導を行う。
・ネグレクト‥育児放棄。子供の健康状態を損なうほどの不適切な養育のこと。
・OT‥Occupational therapy の略。精神科病棟で行われる作業療法の一種。 社会復帰を目的とした精神科リハビリテーションのひとつで、作業活動やレクリエーションを通してその人らしく、より良い生活が送れるよう治療・指導・援助を行うもの。
国家資格:公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
その他:TSM(トラウマセンシティブマインドフルネス)修了・SE™プラクティショナー初級修了・TFTパートナー・ChatGPTエジソン塾1期生・整理収納アドバイザー2級 など
『努力すること』と『環境に助けてもらうこと』のバランスを研究し、自分自身の最適化を目指して精進中