【職員インタビュー】「成長するパン屋で職人生活のリスタート」ボンシュシュ長瀬さん

就労継続支援B型のボンシュシュにて、パン職人としての経験を活かして活躍されている長瀬さんにお話しを伺いました。

調理師免許、介護職員初任者研修を修了されているスタッフさんで、福祉の仕事は未経験からのチャレンジです。

過去に、パン屋さんで障害を持つ方と一緒に働いたことがキッカケで、この障害福祉の世界に飛び込んで来られました!

 

 

ベーカリーの店長から福祉の支援者へ

――長瀬さんのパン職人としての経歴を教えてください。

 

長瀬

高校卒業後パン業界に入り、20年以上同じパン屋さんで働きました。

そのうち6年間は店舗責任者として、製造作業と同時進行で店舗の運営管理を任されていました。

 

 

――福祉業界に携わろうと思ったキッカケや理由を教えてください。

 

長瀬

10年以上前に祖父を在宅で介護したことがキッカケで福祉の仕事に興味を持ちました。また、以前の会社で障害者雇用をしていて、障害者の方と一緒に作業していたことも興味を持った一因です。

そのときに一緒に作業をしていて、その取り組む姿勢や成長を傍で感じながら、とても楽しく充実した時間を過ごせたことがキッカケで、この仕事を選びました。

 

 

 

――実際に、障害のある人たちと一緒に働いてみたり、パンのつくり方を教えてみた感想を聴かせてください。

 

長瀬

自分の気持ちを伝えることの難しい利用者様や、1つの作業を覚えることに時間がかかってしまう利用者様もいらっしゃいますので、上手に教えることの難しさを日々感じています。

ですが、時間がかかっても上達していく姿をみたり、私の教えたことを忠実に守って頑張ってくださる姿をみると、こちらも「もっと頑張って教えよう!」とモチベーションが上がって、日々奮闘しています。

 

 

――ボンシュシュでの支援の役割を教えてください。

 

長瀬

パンづくり、洗い物、掃除などの作業を通して、主体的に行動していく自律心を促すことを意識して支援をしています。

また、利用者様が相互にコミュニケーションを図ることで、社会性を身に着けることができるようサポートしています。

 

 

 

パン職人から学ぶ、愛情こもったパン作りの極意

――パンづくりの魅力を教えてください。

 

長瀬

気持ちを込めてつくったパンが美味しそうに焼き上がり、そのパンがキレイに陳列されているのを、「美味しそ~♡」と笑顔で購入されていくお客様の様子がみられることは最大の魅力です。

お客様が再来店してくださり、「美味しかったからまた買いに来たよ!」と言っていただけたときは、本当にやりがいを感じて、また頑張ろうと思えます。

そして、焼きあげている最中の甘い香りに包まれていることと、オーブンから出したてのアツアツの焼きたてパンが食べられることは、パン屋さんの特権です!

 

 

 

――美味しいパンをつくる秘訣を教えてください。

 

長瀬

技術的なこともいろいろあるのですが、最大の秘訣は「美味しいパンをお客様に食べてもらいたい!」という気持ちです!

パンに対する『愛情』が一番大切だと思います。

 

 

――ボンシュシュのパンでこだわっている部分を教えてください。

 

長瀬

実は、ボンシュシュでは、他のパン屋さんでは使われないような贅沢な材料を使って生地をつくっているところです。

パン職人としての経験を活かして、その贅沢な生地の魅力がちゃんと伝わるように様々な創意工夫を施しています。

たとえば、はじめて作業する利用者様でも成形できる簡単な方法を採用しつつも、そうは見えないボリューム感のある見栄えのパンを開発しています。

 

 

 

ボンシュシュでのパン作りの学び方と成長のポイント

――パンづくりを学ぶ上で、どんな人の成長が早いと思いますか?

 

長瀬

パンやお菓子づくり、料理が好きな人は、やはり成長が早いと思います。

また、好奇心や探求心の強い人は向上心も強く、教えたことをスポンジのように吸収するので、本当に成長スピードが速いと感じます。

 

 

――パンづくり未経験の利用者様に対して、ボンシュシュではどのように教えてもらえるのでしょうか?

 

長瀬

月曜日と金曜日の週2回、パン教室を開催しています。

そこでは、パンの形をつくり上げる成形の方法と、最終的に完成させるまでの工程を学べる機会を提供しています。

通常の業務中でも、特性に合わせて個別にレクチャーすることもあります。

イベントなどで多忙なときは個別対応が難しいのですが、通りすがりに作業の様子をチラッとみて、苦手としている部分のコツを伝えたり、その場でマンツーマンでレクチャーすることもあります。

 

 

 

和気あいあいとした活気のある職場

――実際にボンシュシュの仕事をしてみて『大変だったこと』はありますか。逆に『やりがい』も教えてもらえますか。

 

長瀬

知的な制約があったり、細かい作業が苦手な利用者様に対して、技術を教えていくことに難しさを感じています。

一方で、教えた作業を上手にこなしてくれることがとても嬉しく、もっと上手になってほしいという気持ちになることがやりがいにつながります。

 

 

――あらためて、ボンシュシュの魅力を教えてください。

 

長瀬

ボンシュシュは月間で700万円近くを売り上げるため、毎日とても忙しくて騒々しいのですが、そんな中でも和気あいあいとした雰囲気があることは魅力だと思います。

「嫌々やらされている」感じの利用者様はいません。

自らボンシュシュに通いたいと思える環境が整っていると思います!

 

 

――今まで働いてきたパン屋と比べて、ボンシュシュのパン屋としての『良い部分』と『もっと成長できる部分』を教えてください。

 

長瀬

ボンシュシュでは、つくったパンを廃棄せず、店舗の外で袋売りをするような取り組みをしています。

全てを売り切ろうという考え方は、フードロスの視点からも素晴らしいことだと思います。

このような取り組みは、他のパン屋さんではあまりないことなので続けていきたいです。

 

品質的には職員含め、まだまだ成長の余地があると思っています。

細かいところもきちんと教えて、みんなで成長して、お客様に美味しいパンをお届けしたいです。

 

 

異業種からの転職を目指す人たちへのエール

――最後に、これからボンシュシュで働こうと考えているパン職人・お菓子職人の方など、異業種からの転職を考えている人たちへメッセージをお願いします。

 

長瀬

今までのパン屋さんとは働き方の違う部分が多々ありますので、戸惑いは多いはずです。

しかし、同じパンづくりでも、障害をお持ちの皆さんと一緒に作業しているときのほうが、今まで以上の達成感や喜びを味わえます。

 

毎日楽しくパンをつくりたいと思うパン職人の方には、ぜひぜひおすすめしたい職場です!

 


 

長瀬さん、ありがとうございました。

いつも明るく元気な長瀬さんの雰囲気が、ボンシュシュの明るさと前向きさにもつながっていると感じます。

これからも美味しいパンをどんどん開発してください!

そして、利用者の皆さまにもその技術を伝えていってください。