【利用者インタビュー】SST(ソーシャルスキルズトレーニング)に参加して
みなさん、こんにちは。
今回は社会福祉法人SHIPのエスプリドゥ(就労継続支援B型)でおこなわれている『SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)』のブログを引用するカタチで投稿させていただきます。
就労継続支援B型でのメインのサービスはどうしても作業支援になってしまいますが、就労を継続するためにはコミュニケーション支援が欠かせません。
ということで社会福祉法人SHIPでは、18時間のSSTトレーニングを積み重ねたスタッフさんへ『SST初級ファシリテーター』の内部資格を進呈しています。
このブログは、そのスキルを活かして活躍されているスタッフさんのブログです。参加された利用者様のインタビュー記事も掲載しておりますので、ぜひ、最後までご覧くださいませ。
社会福祉法人SHIPでは、定期的に「SST」のトレーニング研修をおこなっています。
※SSTとは?→Social Skills Training(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)の頭文字をとったもので、さまざまなプログラムを通して対人関係など社会生活に必要なスキルを学んでいくトレーニングのことです。プログラムでは生活や対人面など様々な場面での困りごとに対し、ロールプレイなどで解決方法を見つけていき、次に同じ場面にあったときに適切に振る舞えるようにするなどがあります。
わたしは昨年、SSTの内部研修トレーニングを3回受けて、初級ファシリテーターに認定されました✊
そして今年の6月よりエスプリドゥにて、実際に精神障害をお持ちの方々に向けて『SSTプログラム』をスタートしました。
2023年の8月に開催したSSTでは、エスプリドゥの4名のご利用者様に参加していただきました✨
この日のテーマは「友達からの長電話を自分から切れない・・・」でした。
あるあるのテーマに皆さん大盛り上がりでした(笑)
ご利用者の Wさん(仮名)のお悩みは、お友達との長電話により日常のルーティン(食事・お風呂・テレビを観る)が崩れてしまうことがあり、その優しい性格のために「ご飯食べるから切るね」と本音を伝えづらいとのこと・・・
私は「バイバ~イ」と、相手の返事の途中でも電話を切ってしまえる性格なので、少し自分自身を省みる機会にもなりました。
課題の聞き取り
SSTでは問題となっている場面を、参加者のみんなでしっかり理解できるよう状況をリアルに描写していきます。参加された利用者様からたくさん質問していただき、Wさんのおかれている状況をみんなで正確に理解することができました。
・週1回くらい、19:00~21:00の間に電話がかかってくる(そして2時間くらい通話している)
・その間は「失礼かな・・・」という気持ちから、自由に飲み物を飲んだりご飯を食べられない
・普段はLINEを使用しており、WさんはLINEやメールでやり取りする方が好き
・電話がかかってこない日は、19:00前にご飯を食べ、19:00にニュース番組をみて、お風呂、スマホ、ドラマ、そして23:00に就寝という生活リズムで過ごしている
Wさんの理想の姿
SSTでは事例提供者の「ありたい姿」を明確にしながら、みんなで自由に意見を出し合って問題解決を目指します。「〇〇したい」を釣り上げるという意味を込めて、通称、『たい釣り』と呼んでいます。
Wさんには、「自分の希望を相手に伝えたい!」というありたい姿をもっておられましたので、その目標に向かってみんなで解決策のアイデアを出し合いました。
・明日仕事だからと伝える
・今日はLINEでやり取りしようと伝える(電話はできないことを伝える)
・LINEで相談内容を送ってほしいと伝える
みんなのアイデアを聴きながら、Wさんから「LINEなら伝えやすいかも」という気持ちが出てきたので、LINEを使って文章で相手に伝えてみる方法をやってみようと決めることができました。
SSTでおこなった内容は次回までの宿題とさせてもらう流れがあるので、次のセッションのときに結果を報告していただく予定です💡
SST参加者のみなさんからの感想
・自分では思いつかない意見がたくさん聞けて参考になった!
・Wさんは優しくて気づかいのあるいい人なんだと知らない一面を知れた!
・グループワークって面白いですね!
みなさんからポジティブな意見をいただけたことに、ファシリテーターとしては感無量です。
今後もSSTや別のプログラムの開催も検討し、利用者様の満足度を高めていきたいと考えています。
WさんのSST体験インタビュー
このコーナーではご参加いただいたWさんに、あらためてSSTを受けてみての感想をインタビューさせていただきました🎤
SSTのこと知ってました? SSTに参加した感想は? などなど、色々聴かせていただきたいと思います!
—-Wさんインタビューにご協力していただきありがとうございます!早速ですが、WさんはSSTって知っていましたか?
Wさん
知ってました。むかしに通っていた事業所や、デイケアでおこっていたSSTに参加したことがあります。
—-そうだったんですね!どんな内容のSSTだったか覚えていますか?
Wさん
例えば、挨拶の仕方です!
自分が相手に挨拶をした時に相手が無反応だったらその時はどうするか、逆に相手に反応があった時はどうするかのSSTをしました。
—-実践的ですね。エスプリドゥのSSTとの違いを感じたりしましたか?
Wさん
エスプリドゥのSSTは、デイケアのSSTと似てるかも。
でも、違ったところは最初に自己紹介(アイスブレイク)をしたり、SSTの『ルール』や『よいコミュニケーション』の確認をしたり、デイケアではやってなかったことなので新鮮な気持ちになりました。
—-自己紹介トークなど話す時に緊張している様子が最初は見られましたが、徐々に皆さんがスムーズに話せるようになって私も嬉しく感じました。Wさんは自分の課題を提供してくれましたね! SSTをしてみての感想について教えてください。
Wさん
自分の課題をやってみて、「色々な意見がある・こうすれば良かったのか」と発見がたくさんありました!
自分だけだと「長電話が多いと自分の時間が無くなっちゃうな・・・」と困ったことしか感じられなかったですが、「相手にも事情があるのかも?」「こう返せばいいのかも?」と新しい視点が生まれました。
—-なるほど!新しい視点ですか。実際に意見を聞いてみて行動してみたこととかありますか?
Wさん
実はSSTの後に電話が減ってしまって実践はできなかったんです。
なので、別の日の課題の「苦手な人と接した時のどうスルーしていくか」は実践しています!
イライラしてしまったり、気持ちが落ち着かない時は「甘いものを食べる・カフェオレを飲む・ノンアルを飲む・一服する」など家でゆっくりすることでストレスを発散するようにしています。
—-いいストレス解消法ですね!私も似たようなことでストレス発散しています。
Wさん
このストレス発散も他の人の意見を聞いてやってみようかな?と思ったことでもあります。SSTは自分の行動を変えるきっかけになりました。
—-凄く嬉しい感想です😿💓他の人の課題にもWさんは参加しましたが、その時はどんな風に感じました?
Wさん
当たり前のことかもしれませんが、「みんな色々な悩みを持っているんだな」「自分も過去に似たようなことがあったなぁ」と悩みの中身は違いますが、自分と重なる部分があると思いました。
—-他の方の悩みを聞いて共感する部分があったんですね。
Wさん
そうですね。私だけじゃないんだって気持ちになりました。
—-1人1人悩みは違いますけど、孤独ってことではないですよね。みんなが悩みを共有して共感し合える場所が作れて良かったと思っています。
Wさん
SSTをやってみて色んな意見を出し合って、たくさん話すことが出来てよかったです!
Wさん、SSTへのご参加とインタビューのご協力ありがとうございました!
エスプリドゥではSST以外にも、様々な活動を通してグループワークをおこなっていくことを検討中です✊
2024年2月はお菓子作りをしながらグループワークをおこないました✨
エスプリドゥでは見学・体験者を大募集しています。興味を持たれた方、ご連絡お待ちしています♪
お気軽にお問い合わせください。
今回は、エスプリドゥでご活躍中のスタッフさんのブログ記事を引用するカタチで投稿させていただきました。
社会福祉法人SHIPでは、このブログで紹介したSSTトレーニングの他にも、認知行動療法や動機づけ面接法などの相談援助トレーニングをはじめ、様々な研修メニューを提供することで、現場ではたらく支援スタッフの成長を後押ししています。
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国家資格:公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
その他:TSM(トラウマセンシティブマインドフルネス)修了・SE™プラクティショナー初級修了・TFTパートナー・ChatGPTエジソン塾1期生・整理収納アドバイザー2級 など
『努力すること』と『環境に助けてもらうこと』のバランスを研究し、自分自身の最適化を目指して精進中