【職員インタビュー】「利用者様と一緒に職員も成長できる職場」サクレ江戸川 澤田さん

SHIPのグループホーム「サクレ江戸川」の澤田さん、

精神保健福祉士の国家資格をお持ちのベテランスタッフさんです。

「働いている自分がイメージできる」と感じ、異業種から福祉業界に入られました。

その過程と、これからについてお話いただきました。

 

「誘われて転職」の先に

――澤田さんの職歴を簡単にお聞かせください。

 

澤田

高校を卒業したあと、派遣社員として事務用品メーカーの工場で仕分けの仕事をしていました。そのうち、派遣会社の方と仲良くなり、一緒に働かないかと声をかけていただき、派遣会社の社員として働き始めました。

そこでの仕事は、派遣現場にフォローアップをしに行ったり、新規事業の開拓や、会社の事務員さんの採用など多岐にわたりました。派遣社員さんのフォローアップはやりがいもあり前向きに取り組めたのですが、事務員さんの採用については、特に待遇面で思うような条件を出せなかったりすることに苦手さを覚えました。

2年程度働いて、人づてでウェブの求人広告や人材紹介を行なう会社へ転職しました。ここでは3年くらい勤務してまた転職しました。転職のきっかけは、お客様からのお誘いでした。

 

転職先は薬局を経営する会社でした。お客様から誘われて、ある種軽い気持ちで転職したこともあり、その会社で自分が何をすべきか、自分に求められている役割は何なのかをしっかり把握できず、違和感を覚えながら過ごすことになりました。

当然、周囲にもその違和感は伝わります。その結果、出社して周囲の一般事務職さんや薬剤師さんとひとしきり挨拶して、それ以外一言もしゃべらないような状況になってしまいました。

そのような状況になり、でもまだ自分は頑張れるんじゃないかと思ってみたものの、やっぱり続けられずに1年足らずで退職します。

 

 

――そこが分岐点になったのですね。

 

澤田

そうですね。そのときにあらためて自分が今まで楽しかった(やりがいを感じた)仕事はなんだったのか考えたところ、直接的に人と接する仕事がまっさきに思い浮かんだのです。

派遣会社で働いていたときにおこなった派遣社員さんのフォローアップとか、人材紹介会社で働いていたときに求職者と夕ご飯を食べながら今後の方針について話し込んだりしたことなどが、とても楽しかったのです。

 

そんなときに、SHIPの関連法人であるNPO法人SSSの求人広告が目に入りました。そのときに、SSSに入ってホームレスなどの生活困窮者の方々と自分が話している光景が思い浮かんだのです。

前職では自分が働いているイメージがつかないまま転職して大変だったこともあり、そういったイメージが湧いたということは自分にとって大変重要でした。そのことが自分を後押ししてくれて、SSSに応募し入社しました。

 

 

SHIP入社のきっかけと現在の仕事

――その後、SHIPに入社するのですね。

 

澤田

厳密に言うと、NPO法人SSSの障害者事業部が独立して現在の『社会福祉法人SHIP』が誕生したので、新たに入社というよりは部署異動といった感覚が強いです。

SSSに入社してからは、ホームレスなど生活困窮者の方々の支援に5年ほど携わりました。

一言に「ホームレス」と言っても、シンプルに「仕事がなくなって家を失う」のではありません。その奥には、表には出てこない原因があります。その一つが精神疾患でした。

そこで、適切な支援をおこなうために、障害者支援の事業所を見学しに行ったり、研修に参加していくうちに、障害者福祉の領域にコミットしていき、結果的にSHIPの所属となりました。

 

 

――SHIPでの現在のお仕事について聞かせてください。

 

澤田

現在は、SHIPの運営するグループホーム「サクレ江戸川」で世話人しています。

サクレは2~7棟の合計6つのユニットからなっています。

2~5棟が主に精神障害の利用者様、6・7棟が主に知的障害の利用者様がいらっしゃいます。

基本的には特定の利用者様を受け持つ『担当制』なのですが、私の場合は全てのユニットを対象に、施設管理補助とよろず相談といったことをしており、担当世話人さんがお休みのときに、代わりに利用者様の支援をしています。

そのため、特定の利用者様に付きっ切りというわけにはいきません。むしろ担当世話人さんのサポートをすることが多く、一緒にアセスメントをしたり、支援方法の相談に乗ったりすることが多いです。

 

 

現在の仕事の大変なこと・やりがいを感じること

――今、仕事をしていて、大変なこと・やりがいを感じることを教えて下さい。

 

澤田

大変なことは、決まった利用者様を担当して支援するわけではないので、たとえば2週間ぶりに勤務するようなユニットも発生します。

必要なことは申し送りされるのですが、毎日接している担当世話人さんとまったく同じ支援はできず、自分なりに推測しながらお世話をしなければならない点に、とても神経を使います。

さらに、これはサクレだけでなく全国のグループホームに言えることですが、グループホームの業務は基本的に24時間365日停止することはないのです。つまり、一般的に家族に求められているものが全部グループホームに求められるということです。

その結果、際限なく対応し続けることになるので、線引きできずにバーンアウトしてしまう支援者も多いのです。サクレは線引きができている方ですが、それでも大変だと思います。

 

やりがいについては、一緒に働いている職員さんの気づき場面に出会えることです。 

もちろん、利用者様のできなかった部分ができるようになっていく姿を見ることも嬉しいのですが、それと同時に事業所全体で、利用者様だけでなく支援者も一緒に成長できる環境が大事だと思います。

支援者の成長が利用者様に還元され、その繰り返しで事業所が提供するサービスの質が向上していくのだと感じます。

 

 

力を入れている支援・今後の目標について

――澤田さんは、今どんなところに力を入れていますか。

 

澤田

抽象的な話になるのですが、「自分の上に福祉を置かない」ということを念頭に置いています。福祉事業所の職員である前に、すべての支援者には個人という人間力があるという考え方です。

定型化された福祉のサービスがあり、それをただ実行するだけという型にはまってしまわないように気をつけたいと思っています。

あくまで福祉サービスは手段に過ぎず、利用者様が本当に求めているものは何なのかを常に考え続け、そのために福祉サービスという手法を用いる、という考え方をしています。

もちろん、あらかじめ決められた支援計画に沿って支援を進めるわけですが、その範囲で必要に応じて自分なりの工夫やカスタマイズをすること、その可能性は常に意識するようにしています。

 

 

――今後の長期的な目標はありますか。

 

澤田

対人援助職をしているからこそバランスを取ろうと無意識にしているのか、自分と向き合い、何かに集中して過ごせるような、そんな時間を自分の人生の中に取り入れていきたいと思っています。

たとえば、釣りやサーフィンなどですね。現代はSNSなどの普及で、何をするにも、そのつもりはなくても誰かとつながることが多いと感じます。

その点、釣り糸をたらしてひたすら待ったり、いい波が来そうなタイミングで海に出てそれを乗りこなすために一生懸命になったり、本当に自分だけでやれることをこれからやっていきたいと考えています。

 

 

「サクレ江戸川」の魅力と課題

――「サクレ江戸川」の魅力などを教えてください。

 

澤田

先ほどお伝えしたことにつながりますが、小さな何気ない気付きを与えてくれる会話が多いことです。そして、それを「気付き」として受け取る職員がいるという環境の素晴らしさも感じます。

たとえば、普段はポケットに手を突っ込んで歩いている利用者様がいらっしゃったとして、その利用者様がたまたまポケットから手を出して歩いていたとします。

些細な違いかもしれませんが、それを見逃さずに「〇〇さんがポケットから手を出して歩いていましたよ!」「そうなんですね!何か気持ちの変化があったのかも」と気付きにつなげられるようなことです。

1つひとつの事象は小さくても、そこから気付きを見いだして、それが積み重なって大きな支援につながるという出発点を見ているようで、心から良かったなと思えます。

 

 

――逆に、「サクレ江戸川」だけに限らず、SHIPの抱える課題などありましたら教えてください。

 

澤田

これはSHIPに限ったことではないですが、福祉業界は慢性的な人手不足が深刻な課題としてあると感じています。

また、人材の確保ができたとしても、その方の特性や強みが配属された事業所と必ずマッチングするとも限りません。

解決策の一つとして、SHIPには自己研鑽や職員スキル向上のための研修制度キャリアアップのための制度が設けられておりますが、それでも個人によっては負担過多となっている現実もあると感じています。

法人がそれに向けて動いていることは働いて感じてはいますが、今後はより幅広く活躍することができるよう個人の適性にあった役割が増えたらいいなと思います。

 

 

SHIPに向いている人、一緒に働きたい人

――澤田さんが思う、SHIPに向いている人、一緒に働きたい人を教えてください。

 

澤田

こういう方でなければ、といったこだわりはありません。ただ、SHIPという法人の理念や、事業所の理念に共感してくれる方だと、より仕事がしやすいのかもしれません。

SHIPは、どんな福祉をしていけばいいか、どういうものを福祉として捉えていけばいいのかを明確に打ち出していると思います。その点、関わる人たち全員に方向性をしっかり示し、迷子にならなくて済むようにしていると感じます。

私は、サクレ江戸川の事業所理念がとてもしっくりきているので、その理念に共感し、価値観を理解してくれる方だと、一緒に仕事しやすいんじゃないかと思いますし、SHIPに向いていると思います。

 

<サクレ江戸川の事業所理念>

・支援される部分を少なくし、自分のできる部分を増やすこと

・障害の部分は社会資源を活用して補完し、自立へと導くこと

 

 

 


 

ありがとうございます!

真摯に福祉の仕事と向き合っているのがお答えの端々にうかがえました。

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