動機づけ面接法 研修インタビュー『ケース③:異業種からの転職組 奥山さん』

前職が営業職だった奥山さん。

お知り合いに発達障害の方がおり、お悩み相談に乗っているうちに障害福祉の仕事に興味をもち、当法人のSHIPに入社してくれました。

もともと人から相談されることが多く、この仕事には就くべくして就いた印象の奥山さんですが、相談援助の基本を学んだのはSHIPに入社してからのことです。

いわゆる他業種からの転職者が『動機づけ面接法』を学んでみて、どのような印象を持ったのでしょうか?

奥山さんにインタビューしてみました。

 

 

Q

今の職種を教えてください。

A

就労移行支援EXP立川のリワークトレーナーとして勤務しています。

精神障害や発達障害のある人たちに対して、復職や再就職に必要な課題を認識してもらうことと、課題解決のスキルを身につけてもらうための支援を提供しています。

 

就労移行支援 EXP立川

 

 

Q

動機づけ面接法の研修を受けようと思ったキッカケを教えてください。

A

利用者の方と面談をしていても『何かしっくりこない感覚』がありました。

もともと、人から相談されることが多く、感謝されることも多かったタイプです。

でも、この仕事に就いてから、クライエントは、どのように考えていて、本当はどうしたいのか?

なかなか理解できず『ヒアリングが不十分だなぁ… 』と感じていました。

SHIPには研修プログラムがたくさんあるので、その中から『動機づけ面接法』をみつけて学んでみたいと思いました。

 

 

Q

この研修の効能をひと言でいうと、どんなモノでしょうか?

A

クライエントの『本当の気持ち』を聴くことで、一緒に考え、一緒に悩むことができるようになりました。

いわゆる『真意』を理解することで、面談や支援の方向性についても見通しが立ちやすくなりました。

 

 

 

Q

どのような場面でそれを実感しましたか? エピソードを教えてください。

A

定期的におこなっている面談しかり、休憩中の日常会話しかり、あらゆる場面で動機づけ面接法を活用しています。

たとえば定期的な面談の場面では、クライエントは主訴をまとめるのにかなり苦労しておられます。

私自身もそうですが、本当に困っていることほど訴えにくいものですし、まとめにくいものです。

そんなときは「今日の面談で『一番お話ししたいこと』はどんなことですか?」と質問します。

検討課題は『あなたが選ぶ』ことができる! ということを明確に伝えることで、クライエントを主役にすることができるようになりました。

支援者であるこちら側から「今日はコレを話しましょう!」と設定すると、「はぁ… そうですね… 」と、応じてはくださるものの心の中では抵抗され、本音を引き出すことができなくなります。

つまり、本音ではなく『嘘』を手掛かりに面談を進めていくこととになるので、お互いに不毛な時間を過ごすことになってしまいます。

 

日常会話の場面でも「何が一番〇〇ですか?」と、クライエントを主体に話題を展開することで、逐一、自己理解を促すよう支援しています。

そうすると、本当の意味で『一緒に考え・一緒に悩む』というスタンスが確立し、支援の方向性が見えてくるので不思議な気持ちになります。

 

 

Q

転職してから1年強が経過しましたが、今では動機づけ面接法をどのように使いこなしていますか?

A

突発的な面談でも、まずは「何が一番〇〇ですか?」の質問でクライエントを主役にしています。

支援がうまくいかないときは原点回帰して、あらためて本音を知りにいくために『動機づけ面接法』を使っています。

 

EXP立川は『就労支援』がメインです。

就職に向けたモチベーションの維持・向上の支援が欠かせません。

でも、こちらから「そろそろ本気で就活しないと」「通所して生活のリズムを整えないと」などと、いくら声をかけても効果はでません。

逆に、ご本人の口から出た「そろそろ本気で就活しようかなぁ」「通所して生活のリズムを整えないとなぁ」の言葉こそ、真のモチベーションにつながっていきます。

 

『人は、自分の言った言葉を信じる傾向がある』

 

実は、ちょっとした対応の差だったのです。

たとえば、説得を止めて質問をしてみます。

「就活に向けてあなたなりに考えていることは?」

「仕事に向けた生活リズムについて、どのように考えていますか?」

 

こちらからすべきことを伝えるだけでなく、クライエント自身が自問自答できるような質問をするだけで、その人なりの動機は見えてくるものです。

 

就労移行支援 EXP立川 トレーニングルーム

 

Q

これから動機づけ面接法を学ぶ人へひと言お願いします。

A

この技法は、自分の意志をうまく表現できない人、また、自分の意志に気づいていない人、に対してとても有効だと思います。

クライエントも支援者も、本当に『気づき』の多い時間を過ごすことができます。

『気づき』って、とても大切ですよね。

そんな貴重な時間をクライエントと共有できるようになれると思います。

SHIPで働く人たちには、ぜひ、一緒に学んでもらいたいと思います。

 

 

奥山さん

インタビューありがとうございました。

転職組・福祉未経験でも、いち早くスキルUPしている奥山さんの今後には期待大大です!

 

なお、SHIPの動機づけ面接法を学ぶ会の仲間は随時募集中です。

興味のある人は連絡くださいね。

 

それでは、アディオス・アミーゴ