動機づけ面接法 研修インタビュー 『ケース④:最年少サービス管理責任者 矢部さん』

 

大学で心理学を専攻し、障害福祉関係の仕事をしながら精神保健福祉士を取得した矢部さん。

その後、SHIPに転職して、グループホーム・サクレ江戸川の世話人、グループホーム・ラファミド八王子の世話人を経て、現在は当法人の最年少サービス管理責任者として活躍しています。

矢部さんの口癖は「専門性の高い支援の提供」です。

クライエントのために、とにかく、質の高い、理に適った支援サービスを提供することが矢部さんの想いです。

 

Q

今の職種を教えてください。

A

グループホーム・ラファミド八王子のサービス管理責任者として勤務しています。

精神障害や発達障害のある人たちへ住まいを提供し、生活全般のサポートをする仕事です。

通過型のグループホームも運営しているため、対象者には若い方も多く、年齢ゆえの激しい感情や行動から、支援に難しさを感じることもしばしばです。

また、昨年度にサービス管理責任者となり、自分より年齢の高いスタッフの皆さんへ支援方針の指示や教育をすることに戸惑いもあります。

 

 

 

Q

動機づけ面接法の研修を受けようと思ったキッカケを教えてください。

A

サクレ江戸川で世話人をしたいたとき、当時のサービス管理責任者から動機づけ面接法の概要を教えてもらいました。

その後、ラファミド八王子に異動となり、マンツーマンの研修で、ガッツリとロールプレイを繰り返しながら身につけていきました。

 

 

Q

この研修の効能をひと言でいうと、どんなことでしょうか?

A

クライエントが自分自身で自分のことを考えて行動すること。

当たり前の話ですが、これが非常に難しく、一番重要なことだと思います。

動機づけ面接法をおこなうことで、クライエントの内省をうながし、自律心が芽生えてくる姿を目の当たりにしています。

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Q

どんな場面で役に立ちましたか?

A

一番は『クレーム対応』です。

仕方のないことですが、まだ自律性が身についていない場合や自己理解や他者理解が乏しい場合、他責傾向が強くなりクレームが増えてしまいます。

「あの人を何とかしてくれ!」

「あの人がいるから仕事に行けない!」

「スタッフは何にもやってくれない!」

このように、スタッフは非難の対象となり、過剰に責任を背負うにことになります。

 

動機づけ面接法のなかには『抵抗を手玉に取る』という技法があります。

抵抗は、すべて聴き切るのです。

共感的に、受容的に、聴き切るのです。

すべて聴き切ると、次は、変化に向けたお話ができます。

 

そこから落ち着いて質問をすることによって、冷静に客観的に出来事を捉えられるようになります。

「とはいっても、仲良く暮らしていきたいですよね」

「〇〇さんは、本当はどうしたいのですか?」

「どうすることができると思いますか?」

「それを試してみた成果を次の面談で教えてもらえませんか?」

このような面談の流れは、自己内省をうながすことにつながり、自身の動機を探究しながら、自律性を高めることにとても役立っています。

自律性とは、自分で選んで、自分で決めて、自分が責任をとることです。

 

クライエントの激しい感情をぶつけられると、どうしてもスタッフが決めて、スタッフが責任を負う循環に陥ってしまいます。

たしかに以前の支援では、なだめるために話を合わせて、その場しのぎの都合のいい言葉を伝えていたような気がします。

でもそうしていると、支援の着地点が見えなくなり、同じ状況にもう一度遭ったときには、また同じクレームを浴びることになります。

 

支援者が質問されて、支援者が考えていました。

クライエントが主体です。

クライエントが自分の人生を考えるために、私たちは質問するのです。

そして、迷いながらも考えて頂いたうえで、クライエントに答えを出してもらうことが大切だと、今ではお腹の底から腑に落ちています。

 

 

Q

今は、どのように動機づけ面接法を活用していますか?

A

今はサービス管理責任者なので、直接支援はあまり行わないようにしています。

直接の相談支援は、あくまでも世話人の人たちの仕事になるので。

ただ、世話人で対応できないようなケースもあります。

その際は、動機づけ面接法の技法をフル活用して直接支援にあたっています。

今は立場的にも、より俯瞰した状態で支援ができている印象です。

 

クライエントから世話人に対するクレームを受ける機会も多いです。

その際も同じです。

『抵抗を手玉に取る』動機づけ面接法の技法を活用して、すべて聴き切ってから穏やかに質問をはじめます。

そして、内省と動機の自己探究を支援して、落ち着いてこれからを考えていただきます。

 

今だから思うのですが、同情して話を聞くことなら誰にでもできます。

話をただ聞くのではなく、クライエントが自分の力で次のステップに進めるように、自分の力でゴールを描けるように、そのような相談援助が専門職には求められていると思います。

 

 

Q

これから動機づけ面接法を学ぶ人へひと言お願いします。

A

クライエントの対応に困っているなら、まずは動機づけ面接法の研修を受けてみることをおススメします。

なぜなら、答えを出すのは支援者ではなく、クライエントだということを心の底から納得できるからです。

 

 

矢部さん

インタビューありがとうございました。

矢部さんは、ご自身でも動機づけ面接法を広めていくために勉強中です!

ラファミド八王子では、矢部さんとマンツーマンで研修を受けられるでしょう。

ラッキーですね!

 

なお、他の事業所の方でも『動機づけ面接法を学ぶ会』の仲間は随時募集中です。

ここだけの話ですが、矢部さんをはじめ、転職組が大活躍中です!

SHIPで一緒に働きたい人は連絡ください。

 

それでは、アディオス・アミーゴ