【職員インタビュー】未経験でもスキルアップできる !営業職から転職『EXP立川』奥山さん
EXP立川(就労移行支援)リワーク・トレーナー奥山さんにお話をうかがいました。
2019年の4月に営業職から転職してSHIPに入社されました。
現在は民間資格のアンガーマネジメントファシリテーター™をお持ちです。
福祉はまったくの未経験から2年ほど経っての現状や、前職との違いなどを聞かせてもらいました。
【営業職からの転職で感じた「違い」】
--転職のきっかけを教えてください。
奥山:動機は「障害のために働くことが困難な人たちの力になりたい」という気持ちです。
転職先にEXP立川を選んだのは「未経験でもOK」だったのが大きいです。
身体障害のある叔父と一緒に暮らしてきて、障害を持つ人の存在は自分にとって身近な存在でした。
叔父は働きたい気持ちはあるけど働くことが困難でした。また、ADHDの友人から転職したいが決まらないという話も聞いていました。
彼らのような人たちの希望をかなえるために、自分にも何かできることはないかと考えはじめました。
「経験あり」の求人が多いなか、EXP立川には懐の広さを感じました。また多摩地域の出身なので、地元への貢献という気持ちもあって決めました。
--転職してみて、前職との違いはどうでしたか?
奥山:営業職とは違う『充実感』があります。また、メンタル的には前職より楽になりました。
前職だとモノを売っておしまい。そのモノでどう貢献できたのか… 分かりませんでした。
EXP立川では、利用者様たちが毎日のように『気づき』を得ていて、その様子をリアルタイムで感じることができるのは醍醐味です。
メンタル面については、前職の営業では数字を上げてなんぼというプレッシャーがありました。そこから解放されたのは大きかったです。
今の仕事が楽な仕事というわけではありませんが、成長や充実感を感じられるという違いを実感しています。
奥山:転職前、『福祉はお給料が低い』というイメージがありましたが、実際はそこまで変わらなかったです。
前職は業績が良ければボーナスが多くもらえました。でも、今より少し良かったくらいです。基本給は前職の方が低めだったので、結局ほぼトントンになりました。
ほかには、あまり外に出歩かなくなって運動量が減り、太りやすくなったことですかね(笑)。
【未経験でもスキルアップできる職場】
--SHIPの人材育成についてはどうでしたか?
奥山:前職に比べて、スキルアップに対するサポートが手厚いと感じています。
とくに、動機づけ面接法の研修を受けたことで、意識的に他人の意見を聴いて、一緒に考えられるようになったことが、一番の成長だと感じています。
(くわしくは動機づけ面接法・研修インタビューのブログをご覧ください)
内部研修、事例検討会、様々な勉強会では、自分の足りない部分に気づかされること・触発されることがたくさんあります。
これらの研修には、今後も継続して参加させてもらう予定です。
奥山:その他、SHIP内の他の事業所を見学するイベントもあります。例えば、中軽度から重度まで、どんな利用者様がいるのかを実際に見ることで、EXP立川との比較もできて面白さを感じますし、それをEXP立川でどのように活かそうかと考える機会にもなっています。
前職では、新卒者の研修はまずまずでしたが、その他は「知りたいことがあれば勝手に勉強しなよ」という雰囲気でした。ごくたまに取引先がきて新商品の説明をもらえるくらいで、そこから先は丸投げされていました。
SHIPの人材育成は充実しているなぁと感じています。
--今後の目標・課題を教えてください。
奥山:SHIPの資格サポート制度を利用して、まずは精神保健福祉士の資格を取ることです。
そのための勉強時間をどうやって捻出するかも課題です。
また、サービス管理責任者の候補生として、社内・社外の研修など、しっかり受けて成長していきたいとも考えています。
支援の面では、利用者様の意見や考えをもっとしっかり引き出せるようになりたいです。
まだまだ勉強中というか、勉強が終わることはないと思うので、日々、変化を続けていきたいですね。
【経験も活かしつつ、営業職とは違う「チーム」での仕事】
--今の仕事内容を教えてください。
奥山:EXP立川の就労移行支援プログラムや、卒業された方の就労定着支援のほかにも、就職先の開拓に向けた外回りや新規の利用者様への紹介業務といった仕事もさせてもらっています。
つまり支援と営業ということになりますが、どちらの業務にも前職の経験が活かせていると感じています。
EXP立川では、SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)などのプログラムで、考え方のクセやコミュニケーションのコツなどを、みんなの応援や提案を受け、生活の中に取り入れていくような支援をおこなっています。
その支援では、前職での様々なビジネス経験を紹介することもあります。営業職で大変だった経験を具体的に紹介することで「これからの就職の参考になる」という感想をもらっています。
奥山:就労移行支援のような通過(卒業)を目的にした事業は、就職の決定者が増えることは大変喜ばしいことなのですが、一方で、サービス料の収入は減ってしまうという課題も残ります。
最高の支援サービスを提供することと、収入を最大まで高めていくこと。つまり、経営のバランスを図ることはかなり難しさと葛藤を感じます。そして、そこが『楽しい』とも感じています。
毎日の通所人数や卒業される方の推移など、データから分析・予測して計画を立てるような視点は、実は前職よりも経営的・営業的な思考になっているなぁと感じますね。
――仕事のやりがいはなんでしょうか?
奥山:利用者様の成長を直にみれること、成功も失敗もチームで共有できることにやりがいを感じます。
卒業された方に企業訪問でお会いする機会があります。みなさんが生き生きと働く姿、課題に直面しながらも一つひとつ解決されている姿を直にみることができます。
就労移行支援でプログラムを受けている方も、日々の『気づき』を少しでも持って帰ってもらえると支援者として「よかったなぁ」と感じます。
また、前職の営業はなんだかんだ個人の仕事だったので、今のEXP立川のように、成長も失敗もすべてチームで共有して、みんなで支援をつくっていく方針は、やりがいであり面白いところでもあります。
――仕事で大変なことなどを教えてください。
奥山:大変なことは、時間のやりくりと情報共有です。
今の職務内容は、就労支援プログラムの講師することが軸となります。
その合間に外回りの仕事もおこなうので、スケジュール管理がとても大変です。
スタッフはみんな忙しいので、効率的かつ要点をおさえた情報共有と連携が大切になります。
--職場の雰囲気、働きやすさ、足りない部分や求めることは?
奥山:EXP立川は『緊張感がなく』『みんなが働き者』なのが良さでもあり、足りない部分でもあると思います。
良い点は、サービス管理責任者の奥主さんが先頭を切って和ませてくれるので、ピリピリせずにリラックスした雰囲気で仕事に取り組めるところです。
そのような雰囲気のもと、上司や同僚に相談しやすく共有しやすいのは、チームでおこなう仕事に必要不可欠なところだなぁと感じています。仕事以外のことも相談もしやすいですね。
奥山:その一方、緊張感がない分、オン・オフが少しゆるいかなぁと思います。
以前は定時を過ぎても終礼をつづけており、残業になってしまうということがしばしばありました。
正直、『長く話せばよいものができる』とは思わないので、終礼に限らずミーティングをする際は『30分なら30分の中でしっかり考えて良い答えを出す』というような意識づけが全体に必要だなぁと思っています。
限られた時間の中で『議題を明確化』させつつ、どこが問題点で、どうしたいのか、真意をしっかり共有した上で、建設的に話し合えるようにできればと思います。
【福祉が未経験でも『気持ち』のある人と働きたい】
--どんな人と働きたいと思いますか?
奥山:個人的には、明るい人、広い視野から提案できる人と一緒に働きたいです。
この仕事は感情労働なので、利用者様の精神状態に引っ張られてしまうこともあります。
スタッフとして、いかに回復していくかを考えると、明るいというか、ストレスをうまく発散できる人が向いていますし、一緒に働けたらと思います。
また、広い視野で考え、常にいろいろな手段を提案できる方は、利用者様からもスタッフからも信頼されると思います。
現場にいると、どうしても考え方が凝り固まってしまうので、根本的な部分を指摘してくれるような人の存在はありがたいです。
--最後に、福祉の仕事を長く続けるのに必要だと思うことはなんでしょうか?
奥山:特別なことではなく『疲れをためないこと』、あとは『気持ち』だと思います。
まずは残業しないで、なるべく早く帰ること。
プライベートをある程度充実させて、疲労をためないことやリフレッシュすることは大切ですね。
もちろん残業することもありますけど、しっかりオン・オフを切り替えることはかなり大事だと思っています。
あとは『気持ち』ですね。福祉未経験でしたが、それでも『気持ち』があれば大丈夫です。
大事なのは常に新しいことを吸収する『心がまえ』、実践していこうという『気持ち』ではないかと思います。
プログラムもそうですが、同じことだけを続けている方が楽だと思います。
でも、それよりも成長を目的に、改善や挑戦を続けることの方が大切だと思います。
EXP立川はその気持ちがスタッフ同士で触発され、また活かせる職場だと感じています。
奥山さん、ありがとうございました。
情報共有の大切さや常に挑戦する姿勢など、ベテランのスタッフとも共通した意識が感じられるインタビューでした。
さらなる活躍に期待大・大・大です。
また、未経験のスタッフでもモチベーションの高い人が、そのモチベーションを活かせる職場になっているんだなぁと感じました。
障害福祉マンガ劇場「人生のてんかん記」作者・パープルカフェ主催・難治性てんかん当事者
元グループホーム(ラファミド八王子)職員・現在は自宅で仕事
国家資格:精神保健福祉士・社会福祉士