【職員インタビュー】試験に向かって山登り!精神保健福祉士合格のコツ『子笑』徳永さん

SHIPでは、『資格サポート制度』で職員のスキルアップを応援しています。

昨年、精神保健福祉士の試験に見事合格した徳永さんに、試験勉強のコツやサポート制度についてインタビューさせてもらいました。

現在、放課後等デイサービス子笑児童指導員をされています。介護福祉士、精神保健福祉士の資格をお持ちです。

 

【母の死をきっかけに、自営業から転職】

――入社のきっかけを教えてください。

 

徳永:私はもともと、自営業だったんですね。実家が飲食店で、学校を卒業後、親の仕事を継いでお店を経営していたのですが、母が末期がんであっという間に亡くなってしまい、介護、看取りを経験しました。母の死をきっかけに、ひとりで経営していくことへの不安を感じ、「将来的にどこかの組織に属したい」と考えるようになりました。

もともと精神疾患には関心があり、ラファミド八王子生活支援員のアルバイトで通うようになって、年齢などを考えて、お店をたたんで正社員として転職を決めました。

ラファミド八王子で世話人をした後、放課後等デイサービス子笑に異動になり、現在は児童指導員として働いています。本当はグループホームの仕事を続けたかったのですが、異動後の今は、放課後等デイサービスにどっぷりはまっています。

 

 

 

 

【資格取得の動機は「根拠ある支援」を求めて】

――精神保健福祉士の資格取得の動機を教えてください。

 

徳永:最初に勤務していたラファミド八王子では、利用者様が統合失調症双極性障害など、いろんな精神疾患を持たれていました。私はSHIPに入って初めて福祉に携わりました。福祉の勉強をするのも初めてでした。

自分の担当する利用者様へ「根拠ある支援」を提供するには「専門的な知識が必要」だと感じ、病気の特性、制度理解、社会資源などについて知るために資格試験を受けようと思いました。先に介護福祉士の資格を取ってから、次に精神保健福祉士の取得を目指しました。

 

 

 

【仕事との両立はオンオフの切り替え】

――仕事や私生活と試験勉強を両立するコツを教えてください。

 

徳永:フルタイムで勤務しながら、仕事以外の時間に勉強をするので、本当に大変でした。休みの日にスクーリング、仕事から帰宅後にレポート作成や試験勉強の時間を取っていました。

1日の時間は限られているので、事前に勉強の時間は決めていました。仕事から帰宅した後、家のことを片づけて、23時から午前2時くらいの3時間をレポート作成にあてました。

また、仕事・勉強と休日は明確に分けていました。勉強は仕事のある平日のみ。土日の休日は趣味など自分の時間にあてました。

平日の勉強はそれは本当につらくて大変でしたが、その分休日は趣味の登山や旅行、温泉など好きなことをして心身のリフレッシュをしました。

仕事と勉強の両立は、人それぞれやり方があると思いますが、平日と休日のオンオフの切り替えを明確にするのが、自分には向いていたと思います。

 

 

 

【レポート対策は期日を決めて早め早めに山登り】

--レポート学習はどのように進めましたか?

 

徳永:人によって違うと思いますが、私の場合は一般養成のため年間スケジュールが決められていて、常にレポートの提出が必要でした。1本の分量はそんなに長くないのですが、全部で88本とけっこうな数をこなさなければなりませんでした。

最初に段ボールでもの凄くたくさんのテキストとレポート課題が届いて、どうやって進めて乗り越えたらいいのかと呆然としました。

レポート課題が終わらないと試験勉強の段階までたどり着きません。先に進むために、レポートをとにかく片づけることにしました。平日の午前1~2時はレポートの時間と決めて、いつまでにやるかの締め切りを決めたカレンダーも作りました。

なるべく早く試験勉強に着手できるように、月3本レポート課題があるとしたら、予定の1.5倍、がんばれるときは2倍の『月6本』課題を終わらせるようにしました。

 

 

 

--すごいですね!それでスケジュール通りに進められたんですか?

 

徳永:前倒しでいけました。本当は私は後回しにする性格なんですよ。でもこれだけは後回しにしないと決めてがんばりました。

さっき話したように登山が趣味なんですが、登山には事前の計画が必要じゃないですか。この山を登るには、何時に出発して、何時にここを通過して・・・と。レポート学習も、好きな登山になぞらえて乗り越えました。

『登りがレポート・下りが試験勉強』のイメージで計画して、試験に向けてなにかあったらリカバリーできるように、早め早めで余裕を持って、夜明けと共に登って、お昼には下山していくようなイメージで計画を立てて進めました。

今はタスク管理を勉強することで、利用者様には見通しを立てた支援ができるようになりました。これは自分にも応用可能で、試験勉強でも計画を立てて取り組むことで、見通しを持てたことが上手くいった秘訣だと思っています。

 

 

 

【試験対策は「やっぱり過去問」のくりかえし】

――では次に、試験勉強はどうだったのでしょうか。

 

徳永:「やっぱり過去問」でしたね。試験勉強をどう進めようかと思ったら、何を調べても過去問が出てきます。最初は「それで覚えても、試験本番で同じ問題は出てこないのに・・・」と思ったのですが、結局は過去問でした。

紙媒体からアプリまでいろいろな過去問をそろえました。ネットだと正答率がすぐ分かりますが、最初は40%くらいでした。それを何とか60%以上にしようと思ったのですが、最初はどうしたらいいか分からなかったです。自分の苦手な部分が把握できていなかったんですよね。

それで、とにかく5年分の過去問をやりまくりました。そして正答率が低いものをピックアップして、確実に分かるものには時間は割かず、苦手なものに時間をかけるようにしました。

 

 

自分の場合、社会福祉士との共通科目が苦手で、暗記だけだと太刀打ちできない、覚えても違う形で問題を出されると分からないので、過去問以外にも勉強しました。「福祉行財政」「福祉計画」などは、国、都道府県、市町村で管轄が違って、なぜその管轄なのか分からなくて、それを調べて理解して解けるようになりました。レポート課題から早めに準備したからこそ、そういう時間を取ることができたと思います。

 

よく過去問は3周やれば受かると言われますが、私の場合は何周やったか分からないぐらいやりこみました。3周では落ちていたと思いますね(笑)。一度解いても、次の日には忘れてしまうので、定着させるために、平日の23時から午前1~2時まではひたすらやりまくりました。

それでも、本番で答案用紙を見た瞬間は頭が真っ白になりました。でも、SHIPの内部研修で習ったことや支援業務で実践したことは理解できていたので本当に助かりました。

 

 

【資格サポート制度がよいモチベーションに】

--SHIPの資格サポート制度は利用したのでしょうか?

 

徳永:利用させてもらいました。授業料は高額なのでありがたかったです。その分、プレッシャーもありました。「お金を出してもらっているからこそ、絶対に合格しなきゃ」と思って。外発的要因にはなるのですが、結果的によいモチベーションになったと思います。

自費での受験だったら、途中で「もういいや・・・」と逃げていた可能性もあると思うのです。経済的には気軽に挑戦できる金額ではないですからね。生半可な気持ちではサポート制度を利用することはできないと思いました。

知識を身に着けたい、それを現場に還元したいという気持ちがあったから、迷いなく利用させてほしいと思いましたし、その分、絶対に受かろうと努力できたと思います。

 

--そういう職員をサポートする制度ですから、まさに狙い通りですね。

 

徳永:サポート制度があるおかげで、資格を取りたいという職員は多いです。友だちに話したら、「そんなに会社にサポートしてもらえるなんてすごいね」と言われました。勉強したくても大変という人には本当にいい制度だと思います。

 

 

 

【これからも学び続けたい】

――今後の目標を教えてください。

 

徳永:精神保健福祉士の資格を取ったからと満足せずに、勉強を続けて、知識のアップデートをしていかないとと思います。それが常に目標だと思います。そして子笑での支援に還元していきたいです。

あとは、SHIPにはさまざまな事業所があり、それぞれで支援内容も全然違います。私が経験したラファミド八王子と子笑も、仕事内容も利用者さまも支援もまったく違います。

 

いつかはいろんな事業所を経験したいという気持ちが半分、ひとつの分野で専門的な支援者にもなりたいという気持ちが半分で、自分の中では揺れていて定まっていないですね。

いろんな経験を積めることは自分にとってはいいけれど、利用者さまにとってと考えたら、専門的な支援を提供したいとも思います。最終的にどうなるか分からないですが、迷いながら常にやっていこうと思っています。

 

 

 

 

【余裕を持って勉強することが大切、勉強で支援の視野が広がる】

 

――最後に、仕事をしながら資格取得を目指す人へのアドバイスをお願いします。

 

徳永:進め方はひとりひとりあると思いますが、早め早めに余裕を持って、勉強する時間を確保することをおすすめします。安心して試験にのぞめると思います。

それと、勉強する過程で、支援の視野が広がったので、本当に挑戦してよかったと思います。以前は精神疾患のある方には、場当たり的でその場しのぎの支援が多かったと思います。勉強した今だと、悪い事象にだけ注目するのではなく、先を見た支援ができるようになれたと思います。

試験勉強の過程が必ず生かせると思うので、これから受ける方にもがんばっていただきたいと思います。心から応援します。

 

 

 

 


徳永さん、ありがとうございました。毎日の仕事のあと、勉強をするのは、すごく大変だったと思います。

明確な目標があったことと、自分に合った方法で学習を進められたことで、合格まで登りきれたのでしょうね。

これから受験する人たちには、ぜひ参考にしてもらいたいと思います。

SHIPのスキルアップしたいスタッフの人たちには、資格サポート制度を利用してもらって、次に続いていって欲しいですね!