あなたは なに依存症?
先日、会議中にコーヒーをこぼしてズボンを洗い、下着のまま会議に参加した事務局の上田です。
さて、今回は、実はとっても身近な依存症のお話をしていきたいと思います。
もしかしたら皆さんは、依存症が自分とは遠い存在に感じているかもしれませんが、相当身近な病気だということをご理解頂きたいのです。そして、予防に努めてほしいのです。
<3つの依存症のタイプ>
依存症は、①物質依存、②プロセス依存、③人間関係依存 の大きく3つのタイプに分けられます。
おそらくほとんどの人が何らかの依存症になっているでしょう…
ちなみに私は物質依存の『ニコチン依存症』です。
<物質依存>
依存性の高い物質は、アルコール・ニコチン・合法薬物・違法薬物など、世の中にたくさん出回っています。
これらの物質は摂取していないと、精神的に落ち着かなくなりイライラが出現します。でも、摂取するればイライラが治まります。私の場合、タバコを吸っていないとイライラしますが、吸った瞬間に気持ちが晴れるわけです。ぱっか~って。
<プロセス依存>
プロセスとは『行為』のことで、ギャンブル・インターネット・スマホ・買い物などがあげられます。スマホ依存症はまさに現代社会の代表的な依存症です。
例えば、自分が送ったメッセージに『既読』がついたかどうか?気になってしょうがない。また『既読』になったのに返信がない… などの循環に陥っていたら危険信号です。
<人間関係依存>
親子関係・DV・ストーカーなんかは人間関係依存の状態です。
最近のドラマで『過保護の〇〇子』が放送されていますが、まさに親子関係依存の状態に陥っていますね。特にお母さんの方は、娘がいないと生きていけない様子です。
DVでは『共依存』という状態に陥ります。被害に遭っている当人でさえ「この人は私がいないとダメ」と依存の悪循環に陥ります。
<依存症は否認と進行性の病気>
現代社会は良いことがありません。会社は不景気ですし、人間関係もギスギスしてストレスが溜まります。けれど、私たちは親や学校から、このように教えられました『頑張れば・我慢すれば・必ず報われるよ』って…
だから頑張っているわけですが、おかしいなぁ…? なかなか報われません。
そこで「あぁ~やってらんねーなぁ」とお酒を飲んでみるわけです。すると、なんだかストレスがなくなったような感覚になります(快楽物質のドーパミンが放出されるから)。
このとき無意識なんですが『お酒を飲む=報われる』という学習が進みます。するとどうでしょう…お酒を飲むという行動は増えていくわけなんです。
ある日、今まで1杯で気分が良くなっていたのになかなか気分が晴れません。そこで3杯飲んでみると気分が晴れました。人間には耐性というものがあって慣れてしまうんですね。このとき無意識なんですが『3杯お酒を飲む=報われる』という学習が進みます。
このように『お酒を1杯飲む=報われる』『お酒を1杯飲む=報われない』『お酒の量を増やす=報われる』が繰り返されると、お酒がないと落ち着かない状態に陥ります。これを『精神依存』といいます。
こうなると周りの人から「ちょっと控えた方がいいよ」とか指摘されます。「大丈夫だよ。いつでも止めれるから」とプチ否認をするわけです。
<精神依存から身体依存へ>
実際に自分でも『そろそろ止めた方がいい』と感じているわけで、少し止めてみるのですが、すると、やたら汗をかいたり、手が震えたり、心臓がバクバクいったりします。でも、不思議なことにお酒を飲むとピタっと治まります。このような症状を『禁断症状』といい、お酒を飲めば身体の異常が治まることを『身体依存』といいます。周りの人から「本当に止めた方がいいよ」と指摘されます。それでも「大丈夫。おれは違うから」と認めません。
<依存症は社会的生命を奪う病気>
仕事中でも禁断症状が出てくると大変です。異常な発汗・動機・震えは放っておけないので、隠れてトイレでお酒を飲むしかなくなるわけです。そして、お酒臭さはバレるわけです。会社でお酒を飲んで仕事なんてもっての外ですから、この状態が続くと会社を辞めざるを得なくなります。
退職してお金がなくなりお酒が切れても禁断症状は続きます。家族・友人など大切な人からお金を借り、またお酒飲んでしまって注意を受けます。「いいかげんにしろ!」って。いいかげんにした方が良いことは分かっていますが、禁断症状は続きます。「今度こそ立ち直る!就職活動のための交通費だけ貸してくれ」… でも、また、お酒を買って飲んでしまいます。そして、誰からもお金を貸してもらえなくなると攻撃的な言動が出てきます…
<おさえておきたいキーワード>
精神依存から身体依存へ移行した結果、上記のように性格の変化へと進行していきます。
そして、離職・離婚・精神疾患・内臓疾患・病死または自殺へと進行。依存症は恐ろしい病気です。
依存症治療の第一歩は『自分の意志ではコントロールできない病気である』と『認める』こと!
これは、依存症の当人も、周りの家族や友人も、肝に銘じておかなければなりません!
とくに家族や恋人・友人は「私だけは見捨てたらダメだ!」と言って、お金を貸したり、責任を負ったりしてしまいがちです。このように結果的に依存行為を可能にしてしまうことを『イネーブリング』といい、そのような人のことを『イネーブラー』といいます。
あなたはくれぐれも『イネーブラー』にならないように注意してください!
<まとめ>
アルコール依存症についてに説明しましたが、依存に陥るプロセスは他の依存症もほとんど同じです。依存症は、①誰もが隣り合わせの、②自分の意志ではコントロールできない、③否認の病気で、④必ず症状は進行し、⑤社会的な生命を奪っていく、とっても身近で恐ろしい病気なのです。
⑥病気だから治療が必要である、ということを理解しておくこと。
これらは依存症になってしまったときの対策ですが、予防的な考えも重要です。⑦そもそも依存症を引き起こす要因を知っておくこと、⑧依存物質に頼らなくても大丈夫なストレス状態をつくること、もあわせて覚えておいてください!
国家資格:公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
その他:TSM(トラウマセンシティブマインドフルネス)修了・SE™プラクティショナー初級修了・TFTパートナー・ChatGPTエジソン塾1期生・整理収納アドバイザー2級 など
『努力すること』と『環境に助けてもらうこと』のバランスを研究し、自分自身の最適化を目指して精進中